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血と暴力の国 読み終わる
2008年07月06日
EOS 5D sigma 50mm f1.4 EX DG HSM
図書館で借りた血と暴力の国を読み終わりました。
この小説を知ったのはコーエン兄弟の映画「ノーカントリー」の原作として。
映画「ノーカントリー」は2007年度アカデミー賞で作品賞などを受賞したけど、日本ではあまり話題にもあがらず、見ようと思っているうちに公開が終了。
そこでDVD化の前に原作を読んだというわけです。
コーエン兄弟の映画で一番好きなのは処女作ブラッド・シンプル。
淡々とした映画です。
映画の方はまあよくで、読んだ「血と暴力の国」、原題は「no country for old men」。
原題には血も暴力も使われていません。
血も暴力もたっぷりなので、こういう邦題でもいいかもしれませんが、読み終わったあとではしっくりきません。
登場人物は(第一次世界大戦)第二次世界大戦、ベトナム戦争に出兵した人たちが中心ですが、何度かの戦争の前後でアメリカは変わったのでしょう、ベトナム戦争の前の世代・後の世代が小説をひっぱります。
その一方で何も変わらない原則に基づくかのように暴力的な登場人物がストーリーを貫きます。
アメリカではこんな感じなのかもしれないけど、日本ではあまり古い記憶を引っ張らずに新しいものにどんどん対応できるのか、こういった世代が持つ痛みや固有の考え方や雰囲気が小説や映画に使われることは少ないような気がします。
ぱっと思いついたのは矢作俊彦のららら科學の子くらい。
アメリカの映画や小説には描写や感情表現などどうしても馴染めないところがあるのですが、この世代ごとのバックグラウンドを把握していないというのもあるのかもしれません。
ボーっと読んでいても面白いからいいのだけど。
投稿者 higuhigu2000 : 2008年07月06日 18:23
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