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グリシドール脂肪酸エステル

2009年09月17日

グリシドール脂肪酸エステルというのはグリシドールと脂肪酸のエステル化合物を指します。
エステルというのはアルコールとカルボン酸がくっついたもの、結合のパターンを意味します。
エステル化合物が分解するとアルコールとカルボン酸になります。
グリシドール脂肪酸エステルの場合、アルコールはグリシドールで、カルボン酸が脂肪酸なので、分解すると発がん性物質であるグリシドールができるので問題というわけです。
アルコール側が問題となっているので、脂肪酸側の問題であるトランス脂肪酸は今回は関係ありません。

グリシドールはきちんと化学物質名で言うと2,3-エポキシ-1-プロパノールで、プロパノールというアルコールの一種にエポキシがついたものです。
恐らく、このエポキシ基が水酸基(アルコール)の近くにあるのがよくないんだろうと思います。

脂肪酸というのは、いわゆる油の総称です。
サラダ油とかオリーブオイルとかゴマ油などは、脂肪酸でできています。
具体的にはリノール酸、リノレン酸、グリセリンなど。

エステルというのは割り簡単に加水分解をするもので、例えば生分解性プラスチックと言われるものはたいていエステル化合物です。
手術後に分解して抜糸の必要がない糸もエステル化合物です。
エステルならなんでも簡単に分解されるわけではないのですが、様々な結合の中では分解され易い方であると思います。
分解されやすいといっても、何もせずにどんどん分解するわけじゃなくて酸とかアルカリがあると分解しやすくなります。
酸というのは例えば胃酸です。
口にしたら食道を通過して胃にダイブするわけで、エコナも口にすると分解されやすい状況になります。
ということで、多かれ少なかれ、エコナに含まれるグリシドール脂肪酸エステルは胃酸で分解されるものもあるでしょう。
ただ、口にしたものが全て分解されるわけではありません。
化学をやっていない人は全部が反応すると考える事が多いような気がしますが、実際に実験してみればわかりますが、3割しか反応しないこともあれば、9割反応することもあります。
グリシドール脂肪酸エステルがどのくらい体内で分解されるかわかりませんが、製品化されるくらいなのでそれほど多くはないと思います。分解されやすければ製品の品質が安定しないと考えられるので。

エコナは脂肪がつきにくいという特徴を持たせるために、通常の脂肪酸(サラダ油など)とグリシドールとのエステル化合物を添加しているのであれば、はじめから発がん性物質が体内でできちゃうことは想定していたはずで、さすがにそんなことはしていない、と思っています。
とはいえ、なんらかのイレギュラーなものを油に添加していて、その過程で発がん性物質になりうるグリシドール脂肪酸エステルが通常よりも沢山混ざったのでは?と思います。

エコナは添加物などを混ぜて構成して作った製品なので、成分を分析を行いどんなものが、どのくらい含まれるのかくらいは調べていたと思うので、発がん性物質が体内で生成されるだろうという自覚はあったでしょう。

タバコの煙に含まれる発がん性物質は数十種類あると言うので、それに比べたらたいしたことがないような気がしますが、販売を休止するくらいなので良くはないんでしょう。


投稿者 higuhigu2000 : 2009年09月17日 22:41

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コメント

エステルが加水分解するような酸性環境下なら、エポキシドが開環してグリシドールはグリセリンになるかと思います。

投稿者 ふるっち : 2009年09月18日 16:20

生体内での反応なので、どうなるのかはっきりとした予想を行うことは難しいと思いますが、エポキシの開裂のみが進行するとは考えにくいかと思います。

投稿者 higuhigu2000 : 2009年09月24日 21:30