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ノーベル化学賞

2008年10月08日

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日本の化学のレベルはアメリカの次くらいなので、毎年ノーベル化学賞受賞者がでてもおかしくはないとおもっています。
ただ、アメリカとその他の差がかなり大きいのですが。
どうして大きいのかというと、今回のノーベル物理学賞、ノーベル化学賞受賞者4人のうち、2人はアメリカで活動していることからもわかるように、科学者や結果に対する待遇が日本よりもアメリカのほうがずっといいからです。

名古屋大学からアメリカの某大学に引っこ抜かれた教授は、移籍条件の一つにドクターコースをまとめて一緒に面倒見てくれるというのがあったそうです。
研究者は何よりも研究が進むことを望むわけで、条件がよければあっさりと移籍することは珍しくありません。
日本では学閥というのがいまだにあって(例えば東大派・京大派に分かれたり、東京理科大の学長選挙に見られる勝てば官軍、負ければ退職)、研究だけに没頭できない状況もあります。

また、アメリカには世界的な権威のある学術雑誌が多数あり、日本にはそれがないことも大きく影響しているでしょう。
現在東京大学で教授をしている人で、東大で就任後の初めての論文を、研究結果から考えたらあえて格下のイギリスの雑誌に投稿した人がいます。なぜかというと、アメリカの雑誌に投稿することでアメリカの競争相手に知られることを嫌ったからです。

学術界はフェアな世界と思われがちですが、そんなことはありません。
水面下のつぶしあいが当たり前のようにあります。
世界的な学術雑誌を持たない日本はこの点で不利です。

日本の研究レベルは高いのですが、それを評価する権威、それをお金に結びつける力、が弱いため損をしていると思います。

基礎研究を大切にしようという傾向も悪くはないのですが、基礎研究をフォローする体制、活用することが今の日本には必要だと思います。


投稿者 higuhigu2000 : 2008年10月08日 23:15

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